蕎麦を打ったり、食べたり・・・のはなしです

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21.8.9

包丁の改造(終) 

 これをもって完成としました。
 まだ手を加えたいことが多少あるのですが、きりがありません。

 主に使いやすさ、維持しやすさ等の点などですが、そういう目に見えることのほかに、重心との関係など、もっと考慮すべきことがあるかもしれません。


 作っている当初は、左右の握り手はピッタリ密着していたのですが、鮫の皮を張ったあとにねじれが出て、隙間がでてしまいました。
 アイロンで熱を加えて伸ばして見たりなど色々とやってみましたが、隙間が残ってしまいました。


 このままでも、大きなぐらつきなどはありませんので、問題はないのですが、気持ちが悪いので、木を埋めました。

 薄い小さな木片ですが、ぴったりのものを作るのはちょっと大変でした。


 真上からみた写真です。
 少し隙間がありますが、この位は問題なし、ということにしました。

 当初は、密着していたのですが‥、残念です。素人の限界ですね。

21.6.28

包丁の改造(7) 

 鮫皮を取り付ける作業を行いました。

 鮫といっても実際はエイです。昔から、エイのことを鮫と言い習わしていたようです。

 鮫皮を大体の形に切って、お湯で柔らかくして写真のように柄になじませます。

 鮫皮は非常に固く、鋏で切るのが大変でした。お湯で柔らかくしたら、切りやすくなると思っていましたらそういうことはありませんでした。


 型を取って、乾燥したところです。

 お湯で柔らかくして、すぐに接着すると、乾燥に伴って収縮するので、端の部分に隙間が出来る恐れがあります。

 それで、一旦乾燥した後に、最終的に鋏で形を整えて、その後に接着剤で貼り付けます。こうすれば、収縮による型崩れはありません。

 写真右の鮫皮の右側がめくれていますが、最終的にこの部分を綺麗に切り取って、柄にピッタリ合うようにします。


 最終的に成型した鮫皮を接着剤(ボンド)で接着しているところです。

 布紐で巻くと、接着剤がくっついて、ややこしくなる恐れがありますので、ビニール紐を使用しました。

 上の写真のように型をきっちりとっていますから、密着性は非常に良いで、器具で挟む必要はないと思いましたが、念のため器具で押さえました。

 向こう側に、くるっと巻いているのは、上の写真右の皮から切り取った切れ端です。


 乾燥後の状態。

 綺麗に貼り付けました。

 


 試着。

 持ってみて、いい感じでした。
 
 鮫皮がないと、頼りない感じでしたが、皮があると手の中から絶対に動かないという感じがして安心感があります。

 鮫皮は刀の柄(つか)にも使用してあります。
 武士が命のやり取りをする際の重要な器材にも適用しているということは、いわば究極の滑り止めだといえます。

 昔の蕎麦打ちの人たちも、競って取り付けたものと思います。


 鞘とあわせてみました。

 鞘の出し入れに少しコツが必要ですが、まぁまぁの状況になってきました。

 写真ではみにくいですが、左右の柄の間に少し隙間ができています。
 当初は、ピッタリだったのですが、作業をしている間にそりが出たようです。
 実用上は問題ない程度ですが、私の性分として気になりますので、これをなんとか修正しようと思います。

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21.6.21

包丁の改造(鞘の作成) 

 柄を作るのにあわせて鞘を作ることにしました。
 
 私の包丁の鞘を、以前に作ったことがありまして、その際には割とうまく出来上がりましたので、今回も簡単にできると考えて取り掛かりましたが、結果的に大変な苦労をすることになりました。

 以下、まとめてアップします。

 左の写真は、材料です。
 実は、鞘を作ろうと作ろうと思ったのは、そうめんの箱のサイズがぴったりだったからです。この箱を見て創作意欲が急に湧いたのでした。

 素材は、桐(多分外国材)です。厚さは7ミリ。


 苦労したのは、包丁の厚みが一定してなかったからです。

 まず、包丁の背の部分が先に行くに従って細くなっています。 (写真)
 これは、挟み込む部材(写真手前)をこれに合わせれば良いのであまり大きな問題ではありません。

 問題は、写真の○印付近にありました。
 この包丁は、完全に手作りでして、厚みが(厳密に)一定しておらず、○印付近が厚くなっているのです。
 つまり、背の部分は先細なのに、刃の近くの○印付近に向けては先太(先に行くに従って厚く)になっているのです。
 このため、この付近については、鞘の内側にふくらみを持たせなければなりません。当然、この部分がスライドしていく部分は内側を膨らませなければなりません。
 この按配が大変でした。


 少し見にくいですが、写真上の矢印の方向に厚みが増しており、青の丸印の部分で最も厚くなっています。

 このため、)ここに当たる部分(写真下赤線付近)を削って、広げる必要がありました。この按配が難しかった。
 大きく削れば良いのですが、それではスカスカになるし、削り方が足らなければスムーズに出し入れできません。

 一応、OKと判断して次の工程に移りました。


 ボンドで張り合わせました。
 
 ボンドで張る前に、包丁の出し入れの最終確認をしましたが、実際にボンドで張った後に完成検査をしてみると、きつ過ぎて動かなくなりました。

 それで、すぐに剥がしてやり直し。
 とにかく苦労しました。


 一応、完成。

 これでもややきつめですが、使っているうちに丁度良くなるのではないかと思っています。

21.6.12

包丁の改造(6) 

 田○さんは比較的小柄です。
 (5)の状態のものを握って貰いましたら、やはりちょっと太いようでした。

 どうしようかということになったのですが、「まかせるよ」ということでしたので、少し削ることにしました。

 包丁の柄もいろいろですが、飯○、荻○さんが使っている光工房の包丁の柄が比較的細身で、握りやすく思いましたので、これを参考にすることにしました。

 写真手前側の、包丁を挟む格好になる部分は、もう少し薄くしても良いのですが、強度を考えて厚いままで残すことにしました。


 柄の手前側の部分は、平面を残しましたので、断面が長方形になっています。

 基本的に、柄の断面(側面部分)は曲線であるよりも直線であった方が良いと思われます。それは、柄を握った時に直線の感触があったほうが、包丁の方向性を付けやすいと思われるからです。

 この柄の場合、全部曲面で削っても良かったのですが、上のようなことが頭をよぎりましたので、平面部分を少しだけ残してみました。まぁ、ほとんど関係ないかもしれません。

21.5.23

包丁の改造(5) 

 一応削り終えて、このままでも使える程度の形にしました。

 これを、田○さんに、実際に手にして貰って、田○さんの要望等を取り入れた上で、さらに削りを加える予定です。


 上をばらした状態です。

 フェライト磁石を左右3枚づつにしていますから、相当強力です。ただし、相手側の鉄部との密着が良くないといけません。この点が、今回一番苦労したところです。

 結果はグーです。


 2枚を重ねた状態です。

 少し角ばった形状にしてありますので、ここから丸みをつけることになると思います。

 左右の部材は、ピッタリ合っています。
 また、実際に包丁のなかご(茎)を挟み込んでも、全くぐらつきません。我ながら本当に良く出来たといって良いと思います。

 装着した状態です。

 くどいですが、釘やネジなしで、全くぐらつきません。
 取り外すのが少し大変なくらいです。

 柄を下方に曲げた形にしましたから、手先をスムーズに回り込ます事が出来て、かつ手が包丁に触れないようにするために、包丁をカットしました。
 鋼の部分をきれいにするのが大変でしたが、一応OKです。
 もう少し、綺麗な曲線にできるのですが、わざと作業の跡を残したいと思います。ろくろの手跡と同じですね。

 柄は英語でハンドルですが、こうしてみるとハンドルがぴったりだなぁ、と思います。

21.5.24

包丁の改造(4) 

 柄の形を変えますので、包丁の刃の手前の部分の形を少し変更することにしました。
 
 なかご(茎)の部分を金切り鋸で切ったときには、時間はかかりましたが比較的スムーズに切り落とせましたので、同じように切れるだろうと思って始めましたが、思わぬ抵抗に会いました。

 写真のように、2段階に分けて切ることにし、最初のカットは比較的スムースに切り落とせました。
 しかし、次のカットで、大変てこずり、金切り鋸で切り落とせない部分があることがわかりました。


 拡大した写真です。
 
 スムースに切れずに、凸になっている部分が極端に固く、金切り鋸が滑って、歯が立たないとは正にこのことでした。


 それは、鋼(はがね)の部分です。
 この包丁の場合、刃は次のような構造になっているようです。(左の図では、左右が間違ってしまいました。下の説明は、図にあわせて説明しています。実際は左右逆。)

 刃の右側(片刃の垂直な面)は、0.5o厚程度の鋼になっていて、左側(斜めになった部分)は普通の鉄になっているようです。つまり、鉄塊を叩いて鍛え、刃先部分について焼きいれをしたというよりも、予め所定の硬度を持った鋼の板を軟鉄と張り合わせておくという工法のようです。

 今回の作業では、当初この軟鉄の部分を金切り鋸でも切っていけたのですが、図に示す鋼部分に差し掛かったところで、全く切れなくなりました、鋸の刃がカラカラと滑走してしまうのです。

 あとは、グラインダーでやるしかないのですが、手元にありませんので、荒砥石で削り落とすことにしました。(ギャ〜です。)

 だいぶ形になってきました。

 包丁側が、必ずしも直線で出来ていませんので、なかなかぴったり行きません。

 (なかごを砥石で研いで、出来るだけ直線(平面)を出しました。)

 ここまでのところで、かなり合致していますが微妙にがたつきがあります。少しづつ現状合わせで作業をしなければなりません。

 日本家屋における畳や表具と同じです。
 汎用性は全くなし、世界に一つです。

 左右をあわせた姿です。
 
 もう少し形を細くして、がたつきを取ったところで、田○さんの手の大きさに合わせて、最終的な成型をします。

 

21.5.16

変わりそば(茶蕎麦) 

 本日は、さいたま蕎麦打ち倶楽部の例会。
 テーマは、茶蕎麦でした。

 当日習った作り方は、ここをクリック

 思ったよりも色合いが強いような気がしました。
 材料の抹茶の量を減らしてもよいのかもしれません。


 当日の講師、飯○さんの「切り」です。
 
 幅が適度で一定なこともさることながら、手前と先の折れ曲がった部分がピンと張っていて崩れていません。
 麺自体もしっかりと出来ているということです。

 見事です。


 舟に納まった状況です。
 主体は更級粉ですから、打つのは難しいのですが、出来上がりの姿は通常のお蕎麦と同じになっています。技術のなせるワザです。

 肝心のお味ですが、期待(予想)が過剰であっためか、思ったよりも香りがしませんでした。柚子切りの印象が強かったからかもしれません。

 当日の講師、飯○さんもが、なんども言っておられましたが、本来、変わり蕎麦は季節の色あいや香りを楽しむもので、たくさん食べるものではない、ということで、今回は主として色あいを楽しむことになりました。

 なお、帰りに1本分けてもらって、我が家で茹でたのですが、家人はいい香りがするといって喜んでいました。現場では、打つときの最初の抹茶の強い香りがあったので、食べる時には嗅覚が麻痺していたのかもしれません。

21.5.12

包丁の改造(3) 

 一応の成型が終わったので、L1、L2(及びR1、R2)をボンドで張り合わせ、L3,R3をそれぞれの部品に乗せてみたところです。

 実際の包丁との組み合わせは右の写真のようになります。



 さらに両者をあわせたところです。
 写真では判りにくいですが、板に反りが出ていて、なかごの手前側に当たる部分に微妙な隙間が出ています。

 板の微妙な反りを完全に取る作業はやるにしても、完全に取り除くことは難しいでしょうから、マグネットを増やして強力に接着させる方法を取ることにします。

 マグネットを追加するには、新しい材料から作り直すのも手ですが、現在の材料を作り直すことにします。
 このために、ボンドを剥がさなければなりません。


 写真のように、赤色の部分にマグネットを追加装着します。

 少しこだわりすぎの感は否めません。
 自分が使うのであれば、適当にネジ止めにしたりすればよいのですが、自分の手を離れて人さまが使うことになりますので、できるだけ完璧にしたいと思う訳です。

 ある種、見栄(みえ)かもしれません。

 ボンドをはずすために、お湯につけています。

 数時間後の状態です。
 このあと、お湯をかけながらブラシを使ってボンドを落としました。

 途中省略しますが、三つ目のマグネットを取り付けました。
 
 鉛筆で指し示しているのがそうです。
 なかごの先の部分に当たりますので、開きがちになっている先の部分がきっちりと接着されるはずです。

 上に映っているのは、なかごを上下から包み込む部材です。

 試行錯誤の無い分、手早い作業が出来ました。

21.5.9

包丁の改造(2) 

 製作の工程と出来上がりのイメージです。
 柄は、左右、それぞれ3枚の板を張り合わせたものを作り、それをマグネットで、なかご(茎)に接着させることにします。
 
 板は、厚さが3mm(長さ15cm、幅10cm)です。(ただし、L3のみ厚さ5mmです。これは、なかごの厚さが一番手前で約7mmになっているからです。)
 マグネットは、厚さ3mm(長さ3cm、幅2cm)ですので、マグネットが柄の中にしっかりと埋め込まれた形にすることができるはずです。

 出来上がりは、図の右側のようなイメージです。
 合板のような感じになるはずです。
 最終的には、これを鮫皮でカバーしますから、接着の跡はあまり気にならないと思います。


 包丁のなかごの側面に接する板です。(上の図のピンクの板(R2))
 厚さは、磁石と同じ3mmです。

 ちょっとみにくいですが、鉛筆で描いた一番外側が「柄」、その中の山形になっている部分が、なかごの投影部分、そして、4箇所に穴をあけている、四角の部分が、磁石を埋め込む部分、です。

 作業としては、穴に沿ってこの板をくり貫き磁石を収めます。


 磁石(2個)を収めた状況です。
 ぴったいと収まりました。
 金属用の接着剤を使用して固定する予定ですが、このままでも大丈夫なくらい、キチキチです。

 上の板の手前に置く板です。
 なかごを包み込むような形状にします。

 作業では、鋸とドリルを使用しています。

 あらあらを切り出して、そのあと、なかごとあわせながら、内側の線を丁寧に削ります。

 なかごの厚さ分に相当する2枚の板(R2;3mm厚、L3;5mm厚)を一緒に切り出しました。

 手前が3mm厚、奥の板が5mm厚です。
 
 あわせて厚さが8mmになります。
 なかごは、手前方向に行くに従って厚くなっています(約7mm)から、写真奥の5mm厚の部品については、右側を厚さ4mmに削り、左側に行くに従って、(なかごの厚みに沿うようにして)薄く削ります。


 実際に、3mm厚の部品を、なかごにあわせた状況です。

 なかごの右側が、より出っ張っているのが見えます。
 
 (黒い線は、包丁の柄の形状のイメージです。)


 ちょっと見にくいですが、5mm厚の部品を重ねた状況です。
 
 なかごの左方向に行くに従って、包丁が薄くなっているのがわかります。

 作業としては、この部分を削りとって、なかごの面と「つらいち」にして、最初に作った磁石の面がぴったりに合わさるようにする必要があります。

 のみを使って、板となかごの面が「つらいち」になるようにしているところです。
 削る面はここだけになりますから、ここが綺麗に仕上がれば、全体がピッタリなるはずです。

21.3.29

包丁の改造(1) 

 田○御大から、包丁の柄を修正してもらいたいとの依頼を受けました。

 包丁は、柄が真直ぐのもので、自作をされたものです。
 左右に二つに別れ、磁石で固定し、その上を鮫の皮で巻いたものでした。(写真は鮫の皮をとった状況)
 
 磁石は、柄が前後左右に揺れないようにするためのもので、柄と包丁の"なかご"とは、実質的には鮫の皮をボンドで巻き留めているという格好になっていました。

 (今回は、磁石でピッタリ留まるようにしたいと考えています。)


 改造後の姿は、写真のように下方にカーブをつけたものです。 また、田○さんは手が小さめなので、やや細めにしたいということでした。

 包丁のパンフレットなどを参考にして手書きでデザインをして、包丁にあてがうと、"なかご"の一部が出っ張ってしまいます。

 少しカットする必要があります。

 (柄の形状については、さらに検討が必要です。
 小指側を少し大きめにしたほうが良いように思われます。
 これについては、実行上は、全体をやや大きめに作って、少しづつ削っていくことで解決しようと思います。)

 全体の姿は、写真のようになっています。

 柄の構造としては、容易に左右に分かれるものであって、なおかつ、使用中にはぐらつかないものにしたいと思います。

(包丁を砥ぐ際は、柄ははずすそうですから、鮫の皮も完全に巻きこまないような形にする必要があります。)

 なかごの部分を良く見ると、徐々に厚みが増しています。
 
 これだと、この形を綺麗に包みこむように、柄側の内部を削りだすのはちょっと大変です。

 対策としては、あとで書きますが、薄い板を張り合わせる(合板状にする)ことで、加工の精度及び作業の容易性を高めようと思います。

 厚みを計測すると、最も厚い所で7.8ミリ、薄い所で4ミリです。
 徐々に、変化しています。

 カットする線は、写真のとおりです。
 ついでに、手前にふくらんだ刃の部分も、柄の形を見ながら、いずれカットすることにしました。

 金鋸を使ってのカット作業です。

 こうして色々と小道具を使うと、それらの使い方の"こつ"がわかって面白いです。
 
 金鋸の場合、ストロークを大きくしてゆっくり動かしていくのが良いようです。回数でこなすことにすれば、力もあまりかける必要がありません。また、このように力をいれないようにすれば、切り口が変に歪むこともありません。

 思っていたよりも、(時間は少しかかりましたが)楽にカットできました。


 カットした状況です。
 
 57g減となります。
 田○さんは、軽くなることにも期待しているそうですので、下の部分も、この際カットすることにします。

 

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