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18.10.18

最適加水量の追求

 本日稽古会でした。
 本日の目標は、比較的しっとりした玉に仕上げて、90p×90pの真四角の生地を作ることでした。
 が、結果は失敗。
 (作業スペースの都合上、玉から延しに移行する間に時間があったため、玉がやや乾燥してしまったということもありましたが、)結果的に硬い玉になってしましました。上から手で押さえる地延しの段階でひびが発生するような状況でしたから、丸出しの段階で既に辺の部分がリアス式海岸状態になってしまいました。あとは、なんとか繋がるように麺棒で上から丁寧に押さえるなどという作業を行ないましたが、焼け石に水のありさま。散々でした。

 さて、その原因。
 最初の水回しが不良です。
 水回しでは、粉に加水しながら、粉を、そぼろ状→兎のふん状→飴玉状→ピンポン球状としていくという、いわば理想を追求しすぎまして、そぼろ状段階に至るまでに時間を掛けすぎてしまいました。
 この段階で時間が掛かるとどうなるかといいますと、手で攪拌していいますので急激な乾燥が生じ、水分が飛んでしまい、結局、最終的な加水量が不足してしまうのです。
 つまり、「加水量−蒸発量=含水量」というようなことが言えるようです。要は、加水量がどうこうということではなく、最終的な含水量が重要であるという、考えてみれば当たり前のことです。
 とすると、普段指導の際に良く言われている、水を計ったコップを見るのではなく実際の粉の状態にもっと関心を持ちなさい、という言葉と良く符丁する訳です。

 加水量については、そういうことですが、水回しの適否を決める要因に攪拌の速度というのがあるようです。それは、最初の1分半ほどはできるだけ早く攪拌しなさいということなのですが、上に書きました蒸発のこととも関係が深いように思えます。私も一応それなりの感覚で手早く作業をしているつもりですが、それでは足らないようです。
 次の稽古のテーマです。
 
 (なお、不思議に思いますのは、プロによる作業を写したビデオです。その気で見ますと、そんなに手早くやってはおらず、どちらかというと悠長といいますかゆっくりとした動きなのです。どうも、この辺が納得いきませんね、いまのところ。)

 

 

18.10.14

日本チャンピオンの技

 本日10月例会。
 皮切りは、前回の段位認定試験で、4段位合格最優秀賞を取られた益○さんのご挨拶とデモでした。
 4段位が最高段位ですから、その最優秀ということは現在の日本チャンピオンということになります。
 審査に立ち会われた加○名誉会長のコメントでは、捏ねの際の体重の掛け方及び切りの姿勢の良さを大変評価されたのだろうとのことでした。いうなれば、いずれも「体さばき」が見事であったということでしょうか。
 もちろん「体さばき」が良ければそれでよしとするものではなくて、最終的には出来上がりのお蕎麦が美味しくなくては全く意味がありません。しかし、安定的に美味しい蕎麦を打つためには、ここから始まらなくてはなりません。必要条件なのだと思いますね。
 
 写真は「切り」の際の後姿です。
 背筋が伸びており、前かがみになっていません。
 これを崩すことなく、淡々と切り進んでいく、という感じでした。

 このほか「捏ね」については、前回山本琢磨氏の指導の時にもありました、体重を上から掛ける事及びこれをリズムよく行なうということです。

 個々の技術も見事ですが、全般にあたふたしたところが全くなく、作業がゆったりと進められている点が大変印象的でした。


その他トピックス
1 篩の始末
  篩をかけた後、ブラシで篩についた粉を払う。つまり、常にきれいにきれいに始末を付けながら作業を進める、ということ。
2 水回しのダマ対策
  加○会長の言では、一回目の加水の後の1分間が重要であり、高速で手早く水回しを行なうこと、ということでした。(ただ、高橋邦弘さんの作業状況などを見ていると、それほどではないように見えます。)こうすることでダマが出来にくく、早くソボロ状になるとのことでした。
3 くくり
  これまで私は、くくった玉の形をオセロの駒のような形にしていたのですが、お供え餅のような形にされていました。なんとなく綺麗です。私もこれからそうしよう。
4 地のし
  手のひらの移動量を少なくしてつぶしていく。手跡による段差が出来ないようにする。つまりは、これも美しく円を作っていくということですね。

 以上、これを要するに「」ですね。
 

 

18.9.24

本日学んだこと3点

 今日の話はオタク系です。

1 作業手順について
 我が蕎麦打ち倶楽部では標準作業手順といいうのがありまして、今回そのうちの延しの段階を次のように変更するということでした。
 従来は、肉分けの際に四角形の縦の長さを所望の「切り幅」まで延し、次に生地を90°回転させて本延しに移行するというものです。この手順では、工程が多くなるということと、「そばの目」が一定方向ではなく(90°回転させることで)縦横にクロスしてしまい、決定的ではないものの、緬が切れ易い状態になるということと、緬が乾き易いというデメリットがありました。(メリットとしては、作業が確実にできる。)
 そこで、次のような手順が標準手順とされたそうです。
(肉分けの段階から)
@下半分を肉分けし、この部分を巻き取る。
A残りの上半分を肉分けし、全量巻き取る。
B巻き延しを行なう。(巻いたままで延す。)
C上半分を広げ、本延しを行なう。
D180°反転させ、下半分を広げ、(要すれば仕上げをし)もう一本の巻き棒で巻き取る。
E上半分を広げ、本延し及び仕上げを行なう。

 これで行けば、90°方向変換がありませんし、そばの目も横方向のみです。
 ただし、角出しの段階で、適度な切り幅が得られるように十分な大きさにすることが肝要となります。

2 適正加水量の判定など
 結論的には、「水回しの加水量が適正かどうかの判定は、指先に触れる水分の感じで判定すべきであって、その感覚の修得は訓練を積むしかない」ということでした。
 教えとしては、加水量を見るのではなく鉢の中をよく見なさい、というものです。しかし、どうしてもおっかなびっくりの加水になるので、高橋邦弘氏のビデオにもあるように40%を一気に加水し、残りで調整していくというのが良いような気がします。(通常40%で多加水になることはまずありませんから、安心して入れられるし、作業効率もあがるからです)その後、手の感触を重視して水回しを行なって行くというのが良いのではないかと思います。
 よく、水回し途中の粉を少量指先で捏ねてその状態をみるというやり方がありますが、少量を捏ねた場合と大きい玉になった場合とでは状態が異なるようで、「可」と判断して纏めたら硬めになるようです。つまり、指先捏ねチェック法はあてにならないということです(この際の判定基準をゆるめにすれば良いのかもしれません)。
 また、つなぎ(小麦粉)の量によっても考慮しなければならないようでして、つなぎが多いと保水がよいので全作業期間中の乾燥量が少なく、したがって多少硬めの玉であってもよい。一方、つなぎなしの生粉(10割)の場合は保水力が小さい為に乾燥しやすいので最初から柔らかめ(多加水)で作ったが良いということでした。

3 丸出しのサイズ
 丸出しのサイズが大き過ぎると、角だしをしても四角になりませんし、だからといって小さい丸だと、その分、厚みも増して操作が困難となり、延した後の厚みの不均一さになり兼ねません。
 したがって、そこには、適正な直径というのがあるはずですが、阿○会長の話では1k玉でも2k玉でも、約60pにしているとのことでした。その差は、2k玉の場合は1k玉に比べて以後の延す手数が多くなるというだけのことだ、ということでした。
 つまり、経験則的には約60p径が目安ということです。

 

18.9.20

最適加水量をどう決めるか

 本日、稽古日。そば粉900g、つなぎ100gの1kで打ちました。

 加水量はいつものように400cc+αと考え、400ccを正確に測り、あとは適当に加えることとしてだいたい100ccを準備し、作業に取り掛かりました。
 私のいつもの手順は、まず正確に測った400ccを一気に加水して水回しをします。数分でざら目状態になりますので、あとはこれに少量を加水してピンポン玉状に持っていきます。このピンポン玉状態の時に、少量を指先で捏ねてみて生地の硬さを判断し、それが適当と判断したところで、一気に纏めに入ります。いつも、少し固めの玉になるのですが、今日は結果的にはいつもよりも非常に硬い玉になってしまいました。いつもより多目の量(最終的に460cc)を入れたつもりだったのですがそれでも足らなかったということです。
 一応、玉には纏めたのですが、延す際に縁の部分に割れが入って見るも無惨な状態(リアス式海岸)になってしまいました。

 いずれにしても、最適加水量の判断を誤ったわけです。
 つまり「+α」の判断ができなかったということです。
では、その判断はどのようにしたらよいか、ということになりますが、これまでは次の2点で判断していました。
1 大体の加水量を想定しておき、2項の状態も勘案して、その量の前後で加水を止める。
2 山羊のフン状態になった時点のそば粉の表面の艶などから判断する。合わせて少量を指先で捏ねてみて、硬さを確認する。
 今回の場合は、1項に引きずられて、加水が多くなっていると判断して加水を停止したことが、主な原因になっていると思います。

 さて、最適加水量の判断基準ですが、あくまで2項を最優先で判断すべきということと、その際の判断基準は「もう少し水気が多い状態」とする、ということのようです。
 なお、そば打ち作業後の恒例の一杯会で橋○さんに聞くと、どうももうひとつの判断要素があるようです。これについては、また、別途諸先輩の技を見聞したいと思います。

 

18.9.6

蕎麦の長さ

 本日稽古会。

 皆さんがひととおり打ち終わっての一杯会での話題の一つが「蕎麦の長さはどのくらいが適当か」というものでした。
 蕎麦の長さは、短かくても長くてもダメでして適当な長さというのがあるはずです。
 短いと、これはもう麺ではありませんし、長いと食べにくくてしようがありません。

 以前、トコロテン式に麺を作る機械を使った蕎麦屋に行ったことがありまして、長さ50センチ位の麺を出してきました。その店は、長ければ良いという考えであったようですが、食べにくいことこの上ありませんでしたね。

 上の話題の提供者である梅○さんは、一つの考えとして乾麺の長さが適当ではないか、ということを言われました。
 「あの長さで、まずいということはないし不都合もない。我々はいかに長くするかに血道をあげているが、これは間違いではないだろうか。」
 という意見でした。

 なるほど。
 そう言われればそうです。
 しかし、やはりある程度長い蕎麦でなくては、どうもプライドが許しません。
 これはゴルフの場合に似ていまして、そんなに飛ばさなずにそこそこの地点に持っていけばよいのに、ついついドライバーを持つのと同じであるような気がします。
 達観できていないのですね、まだ。
 

 

18.9.2

醤油工場見学(笛木醤油)

 埼玉県比企郡川島町というところにある笛木醤油工場を、わがさいたまそば打ち倶楽部で見学をいたしました。
 醤油はおそばという料理を構成する大変重要な要素です。
 今日は、「醤油を極める」というタイトルを掲げての見学会でして、大変有意義な時間を過ごすことが出来ました。

 笛木醤油工場は寛永元年に創業ということで、200年以上続いている老舗の醤油屋です。建物にも、製品にも老舗としてのこだわりが感じられます。200年前には、このような中小の工場が日本中にあったのでしょう。また、当時はローカルで商売していればよかったのでしょうが、今はそういうわけには行かず、大手を相手に奮戦しているという印象を強く受けました。

 当日は、土曜日でしたが、当会がここの醤油(「金笛丸大豆」)の愛用者であるということと会社側のご好意(ご説明をされた専務さんは真摯かつ商売熱心な方でして、大変好感が持てました。)があって、今日の企画となりました。

 写真は、社屋兼売店です。古い建物がそのまま使われております。ここで、ご挨拶とスケジュール説明を受けたあと、写真左側奥にある工場に向かいました。

 醤油の主原料は、
@蒸した大豆A煎って挽き割った小麦B塩です。
 
 左の写真は、主原料の大豆を貯蔵している倉庫内の状況です。いわゆる冷暗所になっておりまして、ここで一旦保管して、次の工程に移送するのですが、その移送手段は、圧搾空気を使用してパイプを経由して行なう方式になっています。いわゆる「気送」です。

 写真手前にある蓋を開けて、そこに大豆豆を流し込めば、右側に見えているパイプを通して次の工程である蒸し釜に送り込まれます。
 大豆は、有機栽培の輸入品だそうです。
 輸入先はアメリカ、カナダだそうでして、年間を通じて価格及び量を安定的に入手することが出来るからとのことでした。国産の場合は、価格に変動が大きいので、(醤油は利幅の小さい商品であることから)高騰時にそれを吸収することが困難になるそうで、潰れる会社もある程だそうです。
 大豆はやや小粒できれいな姿をしておりました。小粒なのは水分が少ないから、と言っておられたような…。


 主要材料のひとつ、塩です。
 天日塩(てんぴえん)と称して、メキシコからの輸入だそうです。一見氷砂糖を砕いたような姿をしております。これを水につけて飽和塩水をつくり、これの濃度を加減しながら使用するのだそうです。
 
 おおまかな流れで言いますと、
 「蒸した大豆」と「煎って挽き割った小麦」に「種こうじ(麹)」を加えてこうじ室で「こうじ」にします。
 これにこの「塩水」を加えて「もろみ(味噌状になっている)」にします。
 そしてこのもろみを次の工程で発酵熟成させるのです。


 木製の桶の中で発酵熟成中のもろみです。
 この状態で1〜2年、時々攪拌しながら発酵熟成させます。攪拌といっても押す方に力点を置くか、引く方に力点を置くかで、それぞれ「オシガイ」「ヒキガイ」というそうです。空気を含ませる必要のある時期には「オシガイ」で、アルコール分を飛ばす必要のある時期には「ヒキガイ」の操作をするのだそうです。単にかき回すのではなく、所要の操作を行なわなければならないわけでして、この辺が長年のノウハウなのでしょう。
 ちなみに、酒蔵でいう杜氏はいないそうでして、常に化学的に成分分析を行なって作業工程の管理をしているのだそうです。
 この熟成1〜2年で塩分のカドがとれるということでした。(そばつゆ作りの際の醤油のカドをとる、と同じ表現でしたね。)

 そして、こおn大桶を前にして案内役の専務から質問。
 「桶」と「樽」の違いはなにか。
 答えは、密閉に近い形態になっているのが「樽」で、蓋があったにしても開閉容易な形態になっているのが「桶」、ということでした。
 ここで、専務の言葉が振るっていました。
 世の中には「樽熟成の‥」という表現をするメーカーがあるが、それは正確でない。桶という正しい表現を使うべきであって、言葉の使い方からちゃんとしていないといいものは出来ない、と。
 「言葉の力」を念頭に置いたもの作りをしていますということでした。大変結構なことです。この辺から、私は笛木醤油のファンになりました。
 この「桶」は、直径が2〜3m、深さが3〜4mあり、杉の木で作ってあります。製造時期は少なくとも明治時代であるとのことで、このころからの麹菌が木の中に住みついているとのことです。


 桶ごとに熟成した頃合を見計らって、圧搾の工程に移します。
 もろみを、風呂敷状の布に包み、写真のような矩形をした筒内に積み上げて(実際は、上から積みさげて)行き、40t〜300tの圧力を3日間をかけて加えていきます。
 これによって、原酒に相当する醤油(「生揚げ(きあげ)」と称する)ができ、次の段階では、加熱殺菌をしたり、清澄(せいちょう)タンクで「おり」をとる作業をしたりなどの調整がされて製品になっていく訳です。


 写真は、絞りかすです。ぼそぼそで少ししょっぱい味がしました。
 いわゆる産業廃棄物でして、捨てるしかないものだそうです。
 「なにかに使えないのかなぁ」という数人の戦中派の声があがりましたが、ダメだそうです。

 


 見学の最後に、会議室に席を移し、稼動中の工場の状況をビデオで見せて頂き(当日は土曜日で、機械類は停止中でした)、質疑応答となりました。
 
 その会議室のホワイトボードに書かれていたのがこの写真の言葉です。海上自衛隊OBとしては大変懐かしく、今でも実に染み付いている言葉です。聞けば、先代の社長の提唱によるもので、社長が書かれた文字を消さずに残しているのだそうです。多分、海上自衛隊関係者から聞き及びになられたのだと思います。
 私は、ここで再び、笛木醤油のファンになりました。
 帰りには、金笛丸大豆の一升入りを購入いたしました。次の機会には、これを使って、いよいよ汁(つゆ)を作ってみようと思っています。


 

18.8.10

包丁の角を落とす(安全対策)

 以前から感じていたのですが、包丁の角は直角に尖っているために危険な状態になっています。先だってのことですが、蕎麦を切っているとき、包丁の手前の角で前掛けに穴を開けてしまいました。
 会長の阿○さんも、先端部と後端部は使わないし、出来れば角を取った方が良い、とおっしゃっていました。

 そこで早速角を落とすことにしました。
 たまたま、陶芸作業場に掻きベラの金属部分を磨くためのグラインダーがありましたので、陶芸作業のついでにR=5o程度に削り落としました。仕上げは、砥石を使ってバリをとりました。
 所要時間、およそ15分。
 あっという間に、安全が確保されました。気を使うわないでよくなった分、蕎麦つくりに集中でき、より美味い蕎麦が出来る…?。

 ←全体の写真です。
 少し見えにくいですが、角を全て丸めております。

 以前、私は海上自衛隊の航空部隊に勤めておりましたが、安全については組織全体で大変に配慮が行き届いておりましたし、個人の安全意識、躾(しつけ)についてもいつもやかましく指導されておりました。
 それは、一般的に言っても、事故がおきますとそれがそのまま国家の損失になりますし、不要の手戻りが出て後ろ向きの大作業をしなければならないし、士気にも大きな影響がでるなど、ろくなことはないからです。
 また、軍隊の場合は特に、安全が十分に確保された状態でないと、不測の事態がしょっちゅう起きるような環境の下で極限の活動が求められる戦場では適切な対応が取れなくなるからです。

 危険の芽を常に摘んでおく。
 これは、任務を遂行する(美味い蕎麦を打つ)ために非常に重要なことです。

 

18.7.8

包丁の研ぎ方、夏蕎麦の食べ方

 本日の稽古会のテーマは、「包丁の研ぎ方」と「夏蕎麦の食べかた」の2題です。

 阿○会長が、研ぎ方についての簡単な理論を黒板で説明し、みずからデモをされました。
 その後、市○さんがトライ(左写真)。
 野次馬のああだこうだと言う声に耐えながら、包丁とぎの実習です。
 野次馬のなかにも高級野次馬がおられますので、ためになる野次もありました。

ポイントは、
@荒砥、中砥、仕上げ(#6000、#8000程度)を順次活用する。
A荒砥で、包丁の片側をバリがでるまで研ぎ、仕上げ用の砥石で裏に出たばりを取る。
B包丁の中間部分を削りすぎる傾向になるので、できるだけ均等にまんべんなく研ぐ。大きい力で短時間で、ではなく小さい力で時間をかけて研ぐ。
C研ぐ途中に出てくるどべ状のものは洗い流さない。
D砥石に対する包丁の動きは、背側から刃側へ。刃の方へ包丁を動かしてはいけない。
E砥石の面はまんべんなく使う(次項参照)

 

 道具類は、阿○会長のもの。
 砥石は、常に水に浸して置いてあるそうです。
 
 砥石は、使っているうちにだんだんいびつになって行きます。これでは、包丁に良い平面がでなくなるので、砥石の面を常に直線(面)にしておかねばなりません。
 写真は、阿○会長の研ぎの道具類の状況と砥石の平面を確認しているところです。 砥石の平面を出すためには、2枚の砥石を使ってすり合わせるか、次の写真のような専用の砥石(下駄の歯のような溝が切ってある)を使用します。
 
 それにしても、この道具立て、半端ではないです。
 写真以外にも、包丁の刃の直線を削りだすためのガイド用の治具も作っておられます。

 

 砥石の手入れの状況です。
 やはり、まず道具ですね。

 イチローは今でもスパイクやグラブの手入れにおこたりはなく、常に自分でやっているそうです。

 今回の蕎麦料理。
 もり蕎麦に多量の野菜のトッピングという状況です。
 盛ってある野菜は、いずれも次の千切りです。
・大根
・きゅうり
・みょうが
・おおば

 これはこれでたまには良いですが、やはり海苔程度にしてそばの味を楽しむというのが良いですね、私は。

 

18.7.5

ミサイルとそば味噌

 本日、稽古会。
 今朝早く北朝鮮が、日本海に向けて弾道ミサイルを6発(最終的に7発)、発射しました。今回は、アメリカを中心とする関係国による再三再四の中止勧告を受ける中、アメリカ西海岸に到達する可能性があるテポドンUを含めて多数弾を一気に発射した、というのが特色でした。北朝鮮は、これら関係国の感情を逆撫でしたのでした。
 今日は、蕎麦を打ち終わって、一杯やりながらの談笑の肴になったのがこの話題でした。
 皆さん一様に怒っていました。あんなのは、撃ち落してしまえばいいんだ、などという勇ましい意見も出ました。
 我が国の軍事の実体は、物理的にも法制的にも、とてもそのような状況ではないのですが、大方の皆さんの気持ちはかなり進んだところにある訳です。
 近年、北朝鮮に対する理解が非常に深まっておりまして、これを北朝鮮の瀬戸際外交が押し上げているという格好です。北が策を弄せば弄するほど、北の常套手段である、おどしやすかしが日本国民には効かなくなって来ているという誠に喜ばしい状況であるのですね。
 日本政府は、経済制裁などを行なうことを決めました。なによりも、こういう断固たる姿勢を示したことが大変よろしい。こうなった上は、絶対に腰砕けにならないようにすることが肝心です。我々、国民も頑張らなければなりません。そういう大事な時に、今至ってるわけです。

 さて、もう一つの話題。そば味噌。
 これは、薀蓄豊富な橋○さんの作品でして、稽古会の一杯飲み会での酒の「アテ」として、自宅で作って持って来てくれているのです。
 ベースは江戸甘味噌と言われる、赤みを帯びた味噌です。これに砂糖、甘汁などを加えて鍋で練ったものだそうで、適度な「てかり」がでています。練り終わった後、蕎麦の実(ぬき)を別に炒って混ぜ合わせるのだそうです。
 並木藪蕎麦で発明されたものだそうで、酒に良く合います。
 今日は、皆が食べ切れなかった分をお家に持って帰りました。
 そういえば、兵庫の西○さんから菊正宗を送っていただきました。
 明日の晩酌は、こいつで一杯頂くことにしようっと。

 

 

18.6.21

稽古会、指摘いろいろ

 (今日の記事はオタク系です。)
 本日は稽古日でした。
 蕎麦粉800g+つなぎ100gの九一に近い比率で打ちました。二八では、食感にコリコリ感がでるのと蕎麦の香りが少ないような気がするからでして、かといって生粉(きこ;十割)打ちは、技量的に不安があるからです。
 結果的には、少しぽそぽそ感のある麺になりました。この理由は、どうも捏ねが足らなかったからのようです。
 加えて、本延しの際の幅出しが不足のために、少し短めの蕎麦になってしまいました。幅出しが足らなくなる原因は、その一つ前の工程である角(つの)出しが不十分であるからのようです。角出しは、巻き延しのような感じで、全体を広げるようにして、生地を一気に大きくするようにした方が良いのでしょうか。

 その他、今日は阿○会長から次のような教示を得ました。
・水回しは最初の30秒くらいまでが重要で、この間まんべんなく高速で手を回すこと。これによりダマが少なく、小さくなる。とにかく最初の数十秒が大事である、ということです。
・水回しの終了のタイミングについては、必ずしもボール状(ビーダマ状)になるまで続けなくて良い。
・丸出しの際の麺棒さばきについては、両足を均等に広げ(姿勢が大事)、体重の前後移動(つま先側とかかと側に体重を交互に掛ける)で、生地に対する圧力が効率よく加えられるようにする。言われたとおりにやってみるとたしかに楽にかつスムーズに実施できました。
・水回し及び”バイバイの手”を使った延しの際には膝の屈伸を使ってリズム良く行なう。(これは実施してみましたが、うまく出来ませんでした。)

(写真は、本文と直接関係ありません。自作の陶器の捏ね鉢です。)

 

18.6.10

プロの指導を受ける

 本日の稽古会で、プロの指導を受けました。
 講師は、本陣房を主宰されている山○氏。蕎麦の技術と経営の手腕で世に知られている方だそうです。
 極めて的確な指導でありまして、目からウロコがバサリバサリと落ちました。あるべきそば打ちについて、明瞭なイメージを形作ることが出来たと思います。
 細部は、別途まとめてアップします。

 左の写真は、講義の中の一こまでして、捏ねの要領についてのデモです。
 腕力(うでじから)で捏ねるのではなく体重を利用しなさいというものです。
 鉢が比較的手前においてあり、また、体重を利用することを体感するために片足で立って作業をしている状況です。
 
 比較的低い作業台を使用する(台が高ければ、すのこなどを活用する)ということは、何回か聞いたことがあります。これも、体重を活用するということですね。

 

18.6.7

旦那芸

 素人のそば打ちは「旦那芸」の代表的なものだと思います。

 その昔は、端唄、小唄、どどいつ、長唄、三味線などがその代表だったようですが、最近では実に多様な分野で旦那衆が頑張っています。
 旦那衆の趣味はこせこせしたものではいけませんし、うんちくを十二分にかたむけられるようなものでなくてはなりません。誰でもできるような切手集めなどは該当しない訳です。
 そこには、実益を度外視して技術や道具について語るべきなにものかがないとだめなのです。また、それに加えて時間がゆったりと流れるような、そんな環境がかもし出されていなくてはなりません。「粋(いき)であること」といっても良いでしょう。

 ま、「旦那芸」に対する私の定義は以上のような感じなのですが、そば打ちはそれに良く当てはまっていると思うのですね。

 ところが本日の稽古で、「やっぱり俺は旦那ではないなぁ」という認識をした次第です。
 本日は、長老の田○さんに(ありがたいことに)つきっきりでご指導を頂きました。いろいろとご指摘(以下に記述)を受けたのですが、それらをまとめると「こせこせせずに、もっと大きくゆっくりとした動作をしなさい。」ということでした。
 本日の稽古の最大の収穫でした。また、貧乏人根性がやっぱり付いて回っているのか、と思った次第でした。

 (以下、細部事項)
■水回し
 (指摘)概ね可なれど、ダマが出来ている。
 これは、最初に加水した後の処理が悪いからだと言われました。どうすべきか、いまいち良く分からないが、少なくともその意識をもって細心の注意を払うことが必要なようです。こんど、先輩方の最初の動きを良く見てみることにしよう。
■加水量
 粉が指に対して抵抗を示し出すころに加水をやめるのが適当のようです。もう少しかな、と思う寸前で止めれば良い。この辺り、文字での説明が難しいですね。
 加水量は、全体の42%前後であるので、最初に、40%弱を一気に入れてあとは微量でもって上の状態になるような調整を行なうというのが良いようです。
■手洗い
 (指摘)爪の上に粉がこびりついている。
 見た目が美しくないということもありますが、延しなどの段階でこれが生地に落ちるなどこともあるので良くないということです。いづれにせよ、「粋(いき)」でなければなりませんから、常にきれいに、です。
■丸出し
 (指摘)延びかたが小さく、非効率。
 延し棒を肩幅に構え、グッと良ーく押さえる。
 イメージ的には、水を含んだスポンジに対して、手前側から先に向かって棒を転がすことで、水分を搾り出す感じ?
 もう少し力が掛かるようにしなければなりません。でないと、動きに無駄がでるのですね。
■角出し
 (指摘)巻き棒に巻いた生地を手で圧する際、中央部分だけを圧するのは不可。
 ある程度サイド部分も圧するのが適当です。つまり、延し棒を単に転がすのではなく、意識をして上から圧する必要があります。真ん中だけを押すと、角部分が極端に薄くなります。
■肉分け
 (指摘)角は絶対に触らない。
 この部分は既に十分に薄くなっているからです。
■本延し
 (指摘)棒の動きが小さくて早い(=こせこせしている)。
 大きく、大きく。ゆっくり、ゆっくり
■切り
 (指摘)最初は良いが、だんだんと手先で切っている格好になっている。
 切りの姿勢は、脇を締め、肩、腕、手、包丁が一直線になるようにし、切り口部分の見え方が常に一定になるように、体をずらして行くというのがポイント。
 
 
 

 

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